守破離の経営は全員参加型経営に通じる

全員参加型経営とは、経営に必要な項目を細分化し、幹部や社員に分担してもらう経営の仕組みのことです。この仕組みによって、社員一人ひとりが自分の役割や責任を明確にし、経営者と同じ目線で会社の業績や課題に向き合うことができます。

全員参加型経営のメリット

①社員のモチベーションや生産性の向上

守破離で社員の自律(自ら考え行動)を目指すので、社員が自ら目標を立てて達成することとなり、やりがいや達成感を感じることができます。また、会社の経営状況や利益に関する情報を共有することで、社員の意識や行動が変わります。

②経営力や競争力の強化

社員が自分のアメーバ(小さな組織)の経営者として、自律的に計画や実行を行うことで、会社全体のスピードや柔軟性が高まります。また、社員が市場や顧客のニーズに敏感になり、イノベーションを生み出すことができます。

③人材育成や後継者育成

社員が経営者意識を持って仕事に取り組むことで、リーダーシップや判断力などの経営能力を身につけることができます。また、社員同士が互いに学び合ったり、フィードバックを与えたりすることで、人材の質が向上します。

全員参加型経営の導入ステップ

全員参加型経営を導入するためには、以下のステップが必要です。

①会社のビジョンや価値観を明確にする

会社がめざすべき姿や理念を社員全員で共有し、行動指針とすることです。但し、最初はあまりにも遠い未来は逆にモチベーションを下げます。近い未来の成功体験を優先しましょう。

②会社の現状や目標を正しく把握する

会社が置かれている環境や競合他社の動向、財務状況や業績目標などをお金の面から分析し、情報を公開することです。

中小企業は距離感が近いことから知ってようで知らないことが多くあります。その確認から始めましょう。

③アメーバ単位で計画を立てる

会社全体の目標をもとに、各アメーバごとに年度計画や月次予定を立てることです。各アメーバは自分たちの役割や責任を明確にし、目標達成に向けて具体的な行動計画を策定します。

④実績管理と見直しを行う

各アメーバは毎月実績管理表(エクセルの一覧表)に実績データを入力し、予算対比や前年対比などで分析します。また、毎月全体会議で実績報告や問題点共有、改善策提案などを行います。この時点でシステムは不要です。システムの管理方法が是となってしますからです。大切なのは、自分達にどの様な方法が正しいかを考える習慣を身に着けることが優先です。